私と同年代のEさんはいつも部下に対してのアタリがきつい。 「どうして出来ないんだ?」「いままで何をしてきたんだ?」「ぜんぜんダメだな」 若い頃、自分が上司にこんな風にキツク叱られてきたからといって、自分がその立場になって同じことをしていいわけではないのだが…。 キツイ言葉を使って、相手が反省して次からはうまくいく…なんてのは幻想であり、現在では下手するとパワハラになりかねません。 部下は失敗をした時点ですでに反省したり申し訳ない気持ちになっています。 キツイ言葉で叱っても反感を買うだけです。 「今回はダメだったけど、でもこうすれば次回はうまくいくよ」とポジティブなトーンで接するだけで好感度はまるで違います。


「あまりよくない」結果に対して否定的・ネガティブな考え方で接する人間は周囲からは好かれません。 「あまりよくない」結果でも、ポジティブに接することがモテることに繋がるのです。というわけで今回はポジティブ思考で行こう!です。

悪い雰囲気を持ち込まない

Eさんのようにまわりに人がいるのに部下を怒鳴りつけていると、その嫌な雰囲気は周囲に伝わっていきます。 これを「感情の感染」といいます。少人数で話しあいをすると、お互いの感情はお互いに感染していく傾向にあるのです。 キャバクラやスナックで自慢話をする男性がモテないのは、所詮、自慢という「他人の自己満足」的な感情は周囲に感染しにくい ので感情の共有ができないからです。


逆に悪い雰囲気やマイナスの感情は伝わりやすくなっています。「今は不況だからさぁ・・・」「自分は口下手だから…」 と不満や愚痴ばかりだと、話を聞いている方も暗くなってしまいます。 「結局、女はお金持ちとイケメンしか男を選びませんよね?」とそれを言っちゃうマインドだからモテないのです。 対人過敏であり、自己を否定しがちな性格の人は、自分という“軸”がない。 昔の言葉ですが『武士は食わねど高楊枝』。 武士は貧しくて食事ができなくても、あたかも食べたかのように楊枝を使って見せる。よくないことがあっても逆に 明るく見せるぐらいの度量を持つことが大切です。

マイナスをプラスの表現に変える

意外とみんなが使うけれど、他人にいい影響を与えるわけではないセリフに「暑い」「寒い」「疲れた」「眠い」があります。 『うー、今日はすっごく暑いよねぇ、もう汗だくだよ!』と外回りの営業を終えて汗を拭きながら帰社する営業マンの男性を見て、 OLさんはその姿に『大変でしたねぇ』と言うのは口だけで決して共感しているわけではなく、むしろキモイぐらいに思っている。 プラスの感情を持ち合わせていない自己アピールはあまりよい印象を与えることはないのです。 だから『今日は暑いね』と言われたら『暑いけど、こんな日はビールが美味いよね!』とプラスの表現に変えてみよう。

決め付けと固定観念はよくない

「こうした方が絶対にいい」「そんなのはありえない」、男性がやってしまいがちな問題解決能力に特化したオトコ目線は、想定外の 出来事や意見に出くわすと、一方的に意見を押し付けたりネガティブな否定をする傾向にある。 オトコ目線というのは、例えば男性は「明日の休みは夏物のスーツを買いに行こう」と考えたら、何時に起きて何時何分の地下鉄に乗って、 ○番出口から三越デパートへ向い4Fの紳士服売り場で…と最短ルートを決めて最短時間で買おうと考える。 もし、何らかのトラブルに遭ってスーツが買えなかったとなればそれは「敗北」に近い。何事にも効率と最適解を求めるのがオトコ目線だ。 ところが女性はそうではない。夏服を買いに行ったはずなのに、なぜか寄り道をして全く別の買い物をしても平気。


女性は男性からのアドバイスは受け入れられるが「こうしないと絶対ダメ」と押し付けられるのは「うざい」と感じるものだ。 「こないだ、カツオの刺身を買ったんだけど、マヨネーズをあえた醤油で食べたら意外と美味しかった」 「えー、ないない、絶対にない!カツオにはやっぱりにんにくとねぎやみょうがを乗せてポン酢で食べるのが一番だよ!」 女性は単純にカツオの刺身にマヨネーズが意外と美味しかった、という感想を言っただけなのに、 男性は一方的に「最適なカツオの刺身の食べ方」というベストな回答を押し付けているわけだ。 これでは、話しがまったく噛み合わない。決め付けと固定観念は時に相手を否定する災いの種になる。

結果に対してポジティブに考える

人は褒めたほうが成長するのか?それともけなした方が成長するのか? テストでよい点をとったら褒美が貰えるのと、悪い点をとったら罰を受けるのではどちらが効果があるか? 心理学では前者のよいことが発生するのを「正の強化」、後者のように罰を与えたり辛いことをさせるのを「負の強化」といいます。 短期的には「負の強化」でも結果が出ますが、やがてストレスやプレッシャーに変わるので長続きしません。 前述のEさんのように叱ってばかりだと、部下はやる気そのものを失ってしまったり、会社を辞めてしまうことも。


これは恋愛でも同じこと。彼女はあなたにとってうれしいこともするし悲しいことだってするでしょう。 「最近、全然連絡くれないよね」と相手を責めても「ごめん、今度からちゃんと電話するね」と言われても、 それは「負の強化」からくる義務的なものになってしまいます。こういうことが続くと二人の関係はだんだんと冷めていってしまいます。


では、どうすればいいか?というと普段から「褒める」こと。『○○してくれてありがとう』と感謝の言葉をかけること。 ビジネスの場合も同じで、「ちょっとしたいいこと」でも「よくやった」「やるじゃん」とその場で褒めること。 また、何事も全てがうまくいくわけはないので「あまりよくない結果」が出ることもあります。 それでも「今度はこうしたらうまくいくかもしれないよ」とか「今回は頑張ったけど残念だったね」とプロセス自体は評価するとか、 何事もポジティブにとらえることが大切。どんなに小さなことでも相手が喜ぶ言葉をかけてあげる。

負の感情をまともに受けない

「負の強化」を継続的に受けると、人はストレスやプレッシャーを感じるようになり、やがて爆発して「負の強化」を与えた相手にも 同じように相手を否定するようなネガティブな言い方になってしまいます。 うまくいかないとき、むしゃくしゃして気分が悪いとき、人はどうしても言い方がキツクなります。 そんな負の感情をまともに受け入れると自分も怒りっぽくなったり、世間に対しての見方がひねくれてネガティブマインドの状態になります。


ネットの掲示板やSNSなどがその典型。人は相手の姿が見えないと攻撃的になりやすい。人格そのものを否定する意見だったり、 誹謗中傷、ひどいカキコミが絶えません。「嫌われる勇気」で有名の心理学者アドラー先生に言わせると 、こういう人たちは、怒鳴ってストレスを発散したいとか、 人を攻撃して黙らせたい、などの目的のために怒っている、すなわち怒ること自体が「目的」なんだそうです。 だから、必要以上に不快なことを言われたりしたら「あー、この人は何か嫌なことがあったんだろうなぁ可愛そうに」と受け流す くらいの余裕を持つことです。


ダウンタウンの松本人志が昨年、Twitterで、不快な人物に会った時の対処法を記しています。

芸能人はいちいち気にしてられないでしょうが、これくらいの余裕が大切ですね。


「消防団員が制服のまま、消防車をうどん屋の駐車場に止めてうどんを食べた」ことに怒り、 「公園で子供がツツジの花を摘んでその蜜を吸う」ことに怒り、ネットがなければ知りうることも なかった情報にいちいち目クジラをたててもしょうがないと思うのです。 心に巣食うネガティブ感情にまともに向き合う必要はない。

不安や怒りをまんまぶつけない

交際中のカップルの間で起こる暴力「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」について、交際経験のある10代女性の約44%が経験している そうです。なぜ、こんなことが起きているのかは一概にいえませんが、ひとつには「予言の自己成就」が関係していると思います。 たとえ根拠のない噂や思い込みであっても、人々がそのことを信じて行動することによって、結果として当たってしまう、 ことを心理学では「予言の自己成就」 といいます。 例えば、「LINEやメールの返信が遅い」というよくありがちな出来事。 それに対して「もしかして浮気しているんじゃ?」と疑いを持ったとします。「彼女は浮気をしている」という思い込みに、 「LINEやメールの返信が遅いことに怒る」「SNSへの投稿を常にチェックし、気に入らないことがあると怒る」となり、 「気に入らないことがあるとキレて殴る」ことにまでエスカレートしてしまい暴力をふるうようになる。 結果、「もう会いたくない、別れる」となります。これも一種の「予言の自己成就」。 「浮気をしている」という予言をずっと感じたまま過ごすのは苦痛なので、それなら自分の手で予言を実現してしまえ! となり暴力で自分の正当性を主張してしまうのです。


恋愛関係においては、いいこともありますが、同じようによくないことも起こりえます。 それに対して不安や怒りをストレートにぶつけないこと。「予言の自己成就」によって、あなたもDVの加害者になってしまうかもしれません。

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